北川景子 @モップガール


モップガール EP:1 [TV朝日系]
2007/10/19


いよいよ1週遅れで始まった「モップガール」です.結婚式場スタッフとして働く景子嬢ですが,生来のドジで何かと失敗ばかりの日々.今日は結婚式の最中にウェディングケーキに突入する大失敗で泣きたい気分.

その夜,高校時代からの親しい友人(浅見れいなさん),そして高校時代の恩師との酒席で慰められ,励まされる景子嬢.

翌朝の出勤前,景子嬢は鏡に向かって首無しマッチョ人形?に自分の姿を重ね,この筋肉がイイとか何とかつぶやいています.なんじゃこりゃ(笑).どうやらこのドラマの景子嬢は筋肉フェチという設定があるようなのですが,それにしてもこの様子は傍から見たらかなりヘンです.(笑)

ウェディングケーキの大失敗のため,景子嬢は葬儀社「Little Angels」への異動を命じられます.まぁ,左遷ですな.しかし,異動後の初出勤でいきなり大遅刻をぶちかまし(笑),直属の上司に叱責される有様.さらに,自社葬儀部門の存在すら知らなかった景子嬢は,「Little Angels」に出勤して初めてそこが葬儀社であることに気付き,愕然としています.

「Little Angels」で景子嬢は特殊清掃部に配属.殺人現場の清掃,殺人被害者や事故死者の遺体引き取りから葬儀までの処理,遺品整理などが主な業務です.配属直後の初仕事でいきなり強盗現場の流血処理を行うことになった景子嬢は,生々しい血痕にたじろぎ,またまた泣きたい気分です.今回は景子嬢のこんな泣き顔が何回も見られました.(^_^;

その後,射殺された強盗犯の遺体を引き取りに行った景子嬢は,その遺体が昨晩一緒にお酒を飲んだ高校時代の恩師であることに気付いて愕然とします.恩師が強盗をはたらくなどとは信じられません.そんな景子嬢が恩師の遺品(家族写真)に何気なく触れた瞬間,景子嬢に異変が起こります.

なんと,その日の朝にタイムスリップしてしまった景子嬢.出勤前の全ての出来事がその日の朝と同じように繰り返されること,日めくりカレンダーの日付が1日戻っていることに気付き,景子嬢は自分の身に起こったことの意味を徐々に理解し始めます.でも,まだちょっと半信半疑の状態.

そして,テレビのニュース番組や売店で販売されている新聞を見た結果,やはりその日の朝に戻ってしまっていることを確認.景子嬢は完全にパニック状態でこんな変顔連発です.キレイな顔が台無し.(笑)

そこで景子嬢はハッと気付きます.高校時代の恩師が射殺された強盗事件はこの日の銀行閉店直前に発生する.ということは,今すぐ恩師に会いに行けば,事件の真相がわかるかもしれないし,恩師の死を防ぐことができるかもしれない.恩師を救うため,景子嬢の奔走が始まります.

景子嬢がその恩師を救いたいと強く思うのには理由があります.高校時代,変わり者として仲間はずれにされて孤独だった景子嬢は,一時は自殺を考えるほどにまで追い詰められていたのですが,恩師の説得で救われたのです.うーむ,景子嬢がそんな過去を持つキャラクターだったとは.

いろいろ走り回った結果,恩師が既に高校を退職していること,恩師の長男が事業に失敗して借金を抱え,悪徳金融業者の魔の手が恩師一家に迫っていることが判明します.恩師の強盗の動機は息子の借金だったわけです.やっと恩師を見つけた景子嬢は考え直すように言いますが,覚悟を決めた恩師は景子嬢を残して姿を消してしまいます.

こうなったら現場に先回りして強盗を阻止するしかありません.しかし,現在位置から強盗現場の銀行までどう行けばよいか全くわかりません.一計を案じた景子嬢は,(これから初出勤するところの)「Little Angels」に電話をかけ,(その時点ではまだ出会っていない)直属の上司を巧みに言いくるめて現在位置から現場の銀行までの最短ルートを聞き出します.

実は,タイムスリップ前に一度出勤している景子嬢は,直属の上司が詳細な市街地図を持っていること,その上司が領収書をごまかして経費をちょろまかしていることを知っていたのです.その上司の地図と弱みを巧みに利用したわけですね.それにしても,普段ドジな割には,いざとなると恐ろしく頭の回転が速いですなぁ.

銀行へ踏み込む直前の恩師を何とか捕捉,涙を流し必死で説得する景子嬢.ここでの熱演が第1話の景子嬢の一番の見せ場だったかな.いや,一番の見せ場はやっぱりケーキ突入か.(笑)

景子嬢の言葉に恩師は犯行を思い止まり,景子嬢もホッと安心します.ところが,その時なんと別の強盗犯がその銀行を襲撃し,その騒動の巻き添えで恩師が撃たれそうになります.しかし,ここでも景子嬢の活躍で恩師は何とか助かりました.

いやぁ,恩師が別の強盗犯と間違えられて警察に撃たれそうになった時には,結局タイムスリップして策を弄しても結末は変えられないという冷酷などんでん返し(歴史改変のタブー)になるのかと思ってしまいました.

恩師の命を救うことができ,笑顔が戻った景子嬢ですが,そこで大変なことに気付きます.「Little Angels」への初出勤……大遅刻です.

結局,タイムスリップの前でも後でも,初出勤の大遅刻で直属の上司に叱責される羽目に.やはり歴史の結末は変えられないのか(笑).タイムスリップ前の経験から,どうせその後は罰としてトイレ掃除を命じられることがわかっているので,景子嬢は潔くトイレ掃除を志願.

ということで,トイレで頑張る景子嬢の明日はどっちだ.

いや,なかなか面白かったです.とりあえず次回が楽しみです.景子嬢も泣き顔,変顔を連発しながら,ドジだけど優しく誠実な,そしてどこか可笑しく憎めないキャラクターを熱演していました.第1話の視聴率は10%を超えたそうで,深夜ドラマとしては好調な滑り出しです.この調子で頑張って欲しいですね.脚本に真柴あずきさんが関わっているところから考えて,最後は感動の涙で締めくくるのでしょうか.ちょっと期待してしまいます.

死者の無念の思い,心残りが物語の重要な鍵になるというのは,同じ時間枠の名作「雨と夢のあとに」に共通する要素ですし,死者とタイムスリップを絡めた物語も「演劇集団キャラメルボックス」の公演で扱われることがあるそうです.こういう点が,これらの作品の脚本を手がけている真柴あずきさんの持ち味というか,好きなテーマなんでしょうね.


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