北川景子 @真夏のオリオン


真夏のオリオン 徹底ガイド
日本よ,浮上せよ! [TV朝日系]
2009/06/13


映画「真夏のオリオン」公開当日の深夜,映画PRのための特別番組が放送されていて,当然ながら景子嬢も少し出演していました.上掲左画像は後で出てくるインタビューの際の映像で,上掲右画像は「真夏のオリオン」完成披露試写会のときの映像です.

ご存知の通り,景子嬢はこの映画で倉本いずみと,彼女の祖母・有沢志津子の二役を演じています.有沢志津子役では初めてもんぺを着用し,なかなか快適で気に入ったということを様々な場で語っていましたね.

以上4画像は景子嬢出演シーンの抜粋です.右下画像が現代における倉本いずみ,それ以外の3画像は戦時中の有沢志津子です.

有沢志津子役について語る景子嬢.想いを寄せる主人公・玉木艦長の帰還を信じつつも,当然ながら一抹の不安はある.それでもその不安を表に出さずに凛としている.そんな女性像をイメージして演じたそうです.

手紙や楽譜に想いを込めて相手に渡す,そんな愛の形もいいなと言う景子嬢.電話やメールに慣れた世代にはかえって新鮮なのかな.


実写版セラムンで景子嬢と共演していた黄川田将也氏もこの映画に出演しています.出撃を熱望する回天搭乗員の役でした.

※以下,戦史・兵器史ネタ.

映画「真夏のオリオン」の原作として位置づけられるのは戦記小説「雷撃深度一九・五 (池上司著)」で,さらにそのモチーフとなっているのが伊58潜による米重巡インディアナポリス撃沈の史実だそうです.
余談ですが,映画「ジョーズ」に出てくる漁師のおっさんがこのインディアナポリス乗組員の生存者という設定でした.実際,インディアナポリスの生存者は漂流中にサメに襲われており,犠牲者が出ています.


潜水艦の基本構造,メカニズムの説明なんかもありました.そうか,一般向けにはまずここから説明が必要なのか.(^_^;


映画に登場する伊77潜の艦内セット.左は発令所,右は機関室ですかね.


伊77潜と対峙する米駆逐艦パーシバルの撮影に使用された現存駆逐艦.左は米海軍駆逐艦USS Slater (DE-766)で主に艦上シーンの撮影に使用,右はメキシコ海軍のD-111 (米海軍からの供与艦,元は米駆逐艦USS Hurst (DE-250))で主に航行シーンの撮影に使用したそうです.
なお,上掲右画像でD-111の艦名が"MANUEL AZVETA"となっていますが,これ間違ってます(汗).正しくは"MANUEL AZUETA"です.



真夏のオリオンスペシャル
今よみがえる戦争の記憶 [TV朝日系]
2009/06/14


映画「真夏のオリオン」の公開を記念した特別番組が放送されていました.番組は4部構成になっていて,第一部では潜水艦長役で主演の玉木宏氏が映画の原作「雷撃深度一九・五」のモチーフとなった伊58潜の元乗組員を訪ね,伊58潜の名艦長・橋本以行中佐の人物像に迫ります.第二部ではやはり潜水艦長役としてこの映画で俳優デビューした堂珍嘉邦氏が戦争に対する思いを語り,続いて第三部では景子嬢が巡洋艦・矢矧の最後の艦長を務めた原為一大佐の娘さんを訪ね,戦場の肉親を案じて待つ家族の心情に想いを馳せます.そして第四部では映画で潜水艦機関長を演じた吉田栄作氏が海上自衛隊潜水艦・くろしおを訪れ,潜水艦乗りの実像に触れるといった感じでした.

以上4画像は景子嬢出演シーンの抜粋です.いずれも戦時中の有沢志津子役の場面ですね.この映画では,エキストラ的な出演者を除けば,女性の出演者は景子嬢一人のようです.

こちらは映画撮影中のショット.上掲左画像は戦時中の有沢志津子,右画像は現代における倉本いずみ(有沢志津子の孫)です.

さて,景子嬢が演じる有沢志津子は主演・玉木艦長に想いを寄せ,その生還を信じて待つという役です.そこで,旧海軍軽巡洋艦・矢矧の最後の艦長を務めた原為一大佐の長女・山下陽子さんを訪ね,父の帰りを待ち続けた戦時中の話を聞くこととなります.

山下陽子さんとの対談に先立ち,景子嬢は原為一氏の著書「帝國海軍の最後 - 矢矧艦長の実戦記録」を読んでいました.当方,この本は未読です.これを機会に読んでみようかな.

夫や父・兄弟を戦場に送り出してその帰りを待つ女性たちは,常に不安で辛い気持ちを抱いて暮らしていたのではないか……景子嬢はそんなふうに考えていたようです.しかし,山下陽子さんのお話は少し違っていて,「確かに心の中で安否を気遣っていたが,毎日そんな想いを抱えたままでは生活できない.そこはある程度割り切って,帰ってくる事を信じて待っていた」とのことでした.

この特番や山下陽子さんとの対談については,景子嬢の公式 Blog,2009年5月1日のエントリーに記載されていましたね.その文中に「矢矧という潜水艦の艦長だった原為一さん」なんて書いてあるんですが,矢矧は巡洋艦だよ,景子ちゃん.誰か関係者が教えてあげればいいのに.(^_^;

※景子嬢公式 Blog 当該エントリー:
→ http://star-studio.jp/kitagawa-keiko/index.php?date=2009-05-01

※以下,戦史・兵器史ネタ.

上掲左画像は上の方でも紹介した伊58潜と米重巡インディアナポリス.「真夏のオリオン」の原作である「雷撃深度一九・五」のモチーフとなった艦です.
一方,上掲右画像は軽巡洋艦・矢矧.この番組で景子嬢が対談した山下陽子さんの父君・原為一大佐が艦長を務めた巡洋艦です.1945年4月のいわゆる沖縄水上特攻作戦で戦艦大和および駆逐艦4隻とともに撃沈されました.


人間魚雷・回天.上掲左画像は回天十型試作艇の復元艇(呉市・大和ミュージアム展示)で,上掲右画像は回天一型レプリカ(山口県大津島・回天記念館展示)です.「真夏のオリオン」に登場するのは右の回天一型です.左の回天十型は実戦で使用されることはありませんでした.


映画で伊77潜の機関長を演じた吉田栄作氏が呉市を訪れ,海上自衛隊の現役潜水艦・くろしおに乗艦していました.羨ましいなぁ.緑のカバーでハッチが写らないようにしていますね.




この番組で最も感慨深かったシーンがこれ.1946年4月に帝国海軍残存潜水艦のうち24隻が佐世保湾外から五島列島沖にかけての海域で米軍により撃沈処分されたのですが,その際の記録映像です.上段左の航空写真で一番左に写っている大型艦は伊402潜,上段右は伊47潜,中段左は伊366潜と波107潜,中段右が伊58潜,下段は処分海域へ向けての最後の出航シーンと処分の瞬間です.


五島列島沖の海底に眠る潜水艦の艦橋部(艦名不詳).2004年にディスカバリーチャンネルが海底調査を行った際の記録映像と思われます.この調査結果は「The Search for Japan's Secret Subs」と題して2005年に放送されたらしいのですが,当方は未見です.見てみたい.


[HOME]